明和町・伊勢市・松阪市 車修理

L375Sタント

ダイハツ タントのエアコン修理を行いましたのでご紹介させていただきます。

まったく冷えないという症状です。コンプレッサーは入り、電動ファンも正常に回転している状態です。

マニホールドゲージにて圧力を測定します。低圧はそこまで変でもない数値ですが、高圧が低すぎます。エアコンサイクルに何らかの異常があります。この圧力測定ですが、エアコンガスの量により圧力が変化しますのでエアコンガスが規定量入っているということが前提での測定になります。そのためこの時点ではエアコンガス量によるものという可能性も捨てきれません。

入っているエアコンガスの量は測定できません。一度回収して規定量を入れる必要がありますので、専用の機械を使用して回収・規定量充填を行います。

回収できたエアコンガスは200gでした。

規定量は270~330gの間です。300gを再度充填を行います。

規定量充填後、再測定を行います。低圧側は良い感じですが、やはり高圧が上がりません。詰まりやコンプレッサーの不良などが考えられます。

修理を行うために先ほど入れたエアコンガスをもう一度回収します。

ダイハツ車でよくあるのが高圧配管内での詰まりです。プレッシャーセンサー付近にフィルターのようなものがあり、そこで詰まることがあります。そのためこちらのお車もプレッシャーセンサーを外してみることにしました。

外したプレッシャーセンサーを見てみるとものすごい量の鉄粉が付着していました。これはかなりの重症です。コンプレッサーの焼き付きによるものです。

配管内も大変なことになっています。エアコンサイクルの部品すべてを交換しないといけないレベルです。

すべての部品を新品に交換するのが一番間違いの無い修理方法ですが、予算の兼ね合いもあり中古部品などの使用して修理を行うことになりました。

まずはコンプレッサーの交換から行っていきます。

動作確認済みの中古部品を利用します。コンプレッサーオイルの量も規定量に合わせておきます。

コンデンサーも同じく中古部品を使用します。

低圧・高圧それぞれの配管も中古部品が手に入りましたので、こちらも交換を行います。

接続部のOリングももちろんすべて交換します。

チャージポートのバルブコアも交換します。意外とここから少しずつ漏れてしまっている車両も見てきたことがあります。

室内のエバポレーターユニットへの接続部分です。本来エバポレーターも交換するのがセオリーですが、予算の兼ね合いもあり洗浄したのちに再使用することになりました。

綺麗になるまで洗浄剤を流し込んでいきます。

エバポレーターから出てきた汚れです。

エキスパンションバルブは交換必須です。

部品の交換がすべて終わったら配管内の空気を抜く真空引き作業を行います。

真空引き後、エアコンガスを再度規定量充填します。そして機能点検を行います。

修理完了後は寒いくらいに冷えるようになりました。今回のようなケースはエアコン修理の中でも重症なケースです。軽傷なケースから重症までのケースまで修理費用に差が大きく開くのがエアコン修理です。中古部品でも良いところ、新品ではないといけないところなどがありますので、それぞれに応じた修理方法をご提案させていただきます。