L550S ムーヴラテ

ダイハツのムーヴラテにお乗りのお客様からの修理依頼です。エンジンをかけるとアイドリングが安定せず、エンジンはガタガタと振動し、マフラーからはボソボソという不安定な音がしているとのことでした。

お預かりして症状の確認を行ったところ、お客様のおっしゃっていた通りの症状が確認でき、エンジン始動後にメーター内のエンジン警告灯(エンジンチェックランプ)が点灯したままとなっていました。エンジンチェックランプが点灯したままですので、何が原因で点灯しているのかをコンピューターをつないで確認します。

コンピューターにて診断を行うと、P1300 イオン電流システムと出ました。これはエンジンの点火装置であるイグニッションコイルの故障をあらわす故障コードです。この結果をもとに、イグニッションコイルに本当に不具合が出ているのかどうかを点検します。

イグニッションコイルはエアクリーナーボックスの中にいます。イグニッションコイルの取付ボルトを外し、エンジンがかかっている状態でイグニッションコイルを上に持ち上げ、エンジンの回転数の変化を点検します。正常なコイルを浮かしたときはエンジンの回転数が落ちてエンストしそうになります。これが、不具合のあるコイルの場合だとエンジンの回転数の変化がありません。もともと正常に機能していないイグニッションコイルを作動させなくしたところで何も状態の変化はおこりません。

今回は3本のうち1本が故障していましたが、お客様とご相談の上、念のため3本すべてのイグニッションコイルを交換することになりました。とりあえず故障している1本だけ交換してもエンジン不調は直りますが、その他2本が原因で近いうちに同じような故障が起こる可能性があるとのことをご説明させていただきました。

スパークプラグの交換時期を過ぎて使用していることでイグニッションコイルに負担がかかり、イグニッションコイルが壊れてしまうことがありますので、スパークプラグはしっかりと定期的に交換をしていただくことをおすすめいたします。今回は併せてスパークプラグも交換させていただきました。

真っ黒に汚れていたエアクリーナーも交換させていただきました。これだけ汚れていれば吸入空気の抵抗となり、エンジンも息苦しいと感じていたはずです!

部品の交換完了後、エンジンを始動しエンジン不調が直ったことの確認と、再度コンピューター診断にて当初の故障コードが消えていることを確認して修理が完了となります。