多気郡明和町 カムプーリー交換
オイル漏れがひどく、駐車場所にオイル汚れが付着するくらいなので修理をしてほしいとのご依頼をいただきました。
まずは症状の確認を行います。エンジンを下から覗いてみるとオイルの漏れた跡でひどい汚れになっていました。見た感じではエンジンの上部からの漏れが下にきているような感じでした。
エンジン上部のタイミングベルトカバーのつなぎ目あたりからオイル汚れのようなものが見えましたので、タイミングベルトカバーを外して確認することにしました。
タイミングベルトカバーを外してみたところ、カバーの内部はオイル漏れでびしょ濡れの状態になっていました。こうなると、オイル漏れの場所的にカムシャフトのオイルシールからの漏れか、VVTのアクチュエーター付きのカムシャフトプーリーからのオイル漏れのいずれかになります。いずれの場合も交換するのに少し費用がかさんでしまいますが、お客様のGOサインが出ましたので、修理を行いました。
まずはラジエターを取り外ししますが、見ての通りホースからのクーラント漏れが確認できたのと、ラジエター上部のアッパータンクが熱や経年劣化による変色があり、今後ひび割れによるクーラント漏れの心配もありましたので、お客様にご相談の上、こちらも交換することになりました。
エンジンルームは比較的スペースがあり、作業性は良かったです。
ラジエターを外すためにドレンコックよりクーラントの抜き取りと、ATFクーラーのホースを外します。
外したラジエターを見てみると、アッパータンクのかしめ部分からすでにクーラントが漏れていた跡がありました。ホース接続口も劣化でもろくなっており、古くなったプラスチックのようにポロポロと簡単に割れる状態でした。
ラジエターが外れたら、クーリングファンや補機ベルトなどを順番に取り外します。
縦置きエンジンですのでラジエターを外してしまえばこのように丸見え状態ですので作業はやりやすいです。
タイミングベルトカバーが外れたらタイミングベルトを取り外し、カムシャフトのプーリーも両方取り外します。
カムシャフトのオイルシールは両方ともに漏れはありませんでしたので、この時点でオイル漏れが原因がカムシャフトのプーリーと断定されました。オイルシールからは漏れていませんが、ここまで来ていますのでカムシャフトのオイルシールはもちろん交換します。
漏れはありませんでしたが、年式、走行距離相応にかたくなっていました。
クランクシャフトのオイルシールも予防整備ということで交換させていただきました。
こちらがオイル漏れの原因になったVVTアクチュエーター付きのカムシャフトプーリーです。内部にはエンジンオイルの油圧が作動する部品が入っております。内部の気密不良により油圧に耐え切れずエンジンオイルが漏れだしていたようです。こちらの部品は非分解部品になっており分解修理ができません。プーリーを新品に交換する必要があります。
カムシャフトプーリーを交換し、オイル汚れもきれいにします。タイミングベルトの取付位置を間違わずに組み付け、外した部品を順番に組み付けていきます。交換後は、オイル漏れがないかアイドリングや走行テストをしていきます。オイル漏れがなくなったことを確認して作業が完了です。オイル漏れはエンジン、トランスミッション、パワステなど様々な機構から、様々な場所からおこりえます。そのため修理費用は安くで済む場合もあれば今回のように高額になるようなケースなどがあります。どの程度の漏れならすぐさま修理が必要なのか、もう少し様子見をしても良いのではないのかなどパターンも様々です。ですので、もしオイル漏れでお困りなら是非一度拝見させていただければと思いますので、お気軽にお問い合わせください。