伊勢・松阪・多気郡明和町 車の点検

LA600S

今回のご紹介はダイハツ タント LA600Sのお車です。エアコンが効いたり効かなかったりするということで入庫しました。お客様に症状の問診を行うと、走行中は問題ないが信号待ちなどで止まるとそのような症状が出るということでした。この症状から考えられるのはコンプレッサーの不良、コンデンサーの冷却不良、ガス量の異常などが考えられますが、エアコンの修理は一つ一つ順番に点検を行っていく必要があります。アイドリングでしばらく様子を見ていると、コンプレッサーのマグネットクラッチが頻繁にONとOFFを繰り返す症状が現れ、そうなると当然エアコンが冷えない状態となり、不具合の再現ができました。

マグネットクラッチがON、OFFを繰り返すのはガス圧力が低すぎるか高すぎるかどちらかが原因になります。ガス圧力は気温やエアコンガスの充填量によって変動します。まずはエアコンガスが規定量入っているのかどうかを調べないと次にはすすめませんので、一度ガス回収機でエアコンガスを全量回収します。

最近の車はエアコンガスの充填量は重量管理になっています。ガスを何g入れなければいけないというのが数値化されています。今までのように配管の中を見る覗き窓を見ながらや、マニホールドゲージで圧力を確認しながら充填する方法は行えません。また、追加補充もできません。(今現在何gのエアコンガスが入っているかわからないため)基本的に一度全量回収し、規定量を入れなおすという作業が必要になります。こちらのタントの場合は270gから330gまでが規定量になります。

ガス回収機で回収できた量は635gでした。これは規定量の約2倍くらいのガスが入っていたことになります。これではガス圧力も高圧になりすぎ、信号待ちなどのアイドリング時にコンデンサ温度が下がらないため異常なほどの高圧として圧力スイッチに検出されてしまい、コンプレッサーを止める信号を出してしまうという制御が行われていても不思議ではありません。本当にこれが原因なのかどうかを確かめるために、エアコンガスを規定量300gをガス回収機から入れ直し症状の変化を見てみます。規定量を入れなおし、アイドリングでしばらく様子を見ていましたが最初のような症状は発生しなくなりました。これで原因が確定し修理完了です。なぜこのようにエアコンガスが規定量を超えて入れられていたのかは不明ですが、エアコンの効きが悪いからガスを補充してみようというのは安易に考えないでください。このように入れすぎにより症状を悪化させる可能性もあります。エアコンの不良は様々な原因があり、まずは何が悪いのかを調べる必要があります。修理費用も安く済む場合、高額になってしまう場合、どちらもありますので、まずはご相談ください。