多気郡明和町 自動車整備 パーツ取付

今回のご紹介は後付けのLEDヘッドライトの車検の合否についてご紹介させていただきます。安価な物から高価な物までたくさんのものが市販されています。安価な物=粗悪品 高価な物=一流品 というわけではありませんが、結果として今回取付したものは安価な物で車検に適合しない粗悪品でした。

平成10年9月以降の車は車検時にロービームで車検を受けることになっています。一般的にロービームの照射は左側通行に合わせて左側へ上がっていくパターンとなっています。画像に赤色のラインを引いてありますが、対向車がまぶしくないように水辺面から上は照射されないようになっています。この明るいところと照射されない暗いところの境目をカットオフラインと呼び、カットオフラインが左上へ折れ曲がる点をエルボー点と呼びます。車検ではこのエルボー点の位置を検査しています。

ヘッドライトの照射をヘッドライトテスターに映し出したものがこちらです。ノーマルのバルブではカットオフラインとエルボー点がわかりやすいような状態で綺麗に配光されています。

ノーマルのハロゲンバルブから安価なLEDバルブへ交換してみます。

ハロゲンバルブと比べて色合いも白くなり、明るさも上がってはいます。明るさは上がったため見やすくなり一件落着と思いきや。

同じようにヘッドライトテスターに映してみるとほぼほぼ水平なラインとなってしまいました。これではカットオフラインはわかってもエルボー点がどこにあるのかわかりません。こういう状態になってしまうと明るさは問題なくても車検に合格できなくなります。

ロービームの検査でエルボー点が測定できない場合は、一定の条件のもとハイビームで検査を行うことが可能ですが、こちらのLEDバルブをハイビームにするとこのような結果になりました。配光が定まらず、光が散らばっているため一番明るいところでもハイビームの明るさの基準を満たさないレベルの明るさになってしまいました。これではロービームのほうがよく見えるというレベルです。もちろん車検に適合できません。

ロービームで不適合、ハイビームで不適合という結果となってしまいました。ヘッドライトの照射はヘッドライトレンズの黄ばみや劣化などで著しく変化してしまうため、車検対応と記載のある商品でも実際には取付するお車によっては車検に不適合になってしまう場合があります。あくまでも車検対応というのは車検に対応できるだけの性能は持ち合わせていますよというイメージで、あとは取付するお車の状況によって変わってきてしまうということです。今回の場合はハロゲンバルブで配光は出ていたため製品自体の問題でしたが、車検の合否は取付するお車の状態すなわちヘッドライトレンズの状態はかなり重要ということをご理解いただけると幸いです。