エアコン効き不良修理 多気郡明和町

L175S ムーヴ

エアコンの冷え具合が悪いということで入庫したムーヴカスタム【L175S】です。まずは症状の確認を行います。コンプレッサーは入るか、電動ファンは回るか、まったく冷えないのか、冷えが弱いのかなどいくつかの項目を点検します。

コンプレッサーは入るのが確認できたため、吹き出し口の温度を測定します。まずは最強冷、内気循環、風量マックスで設定します。

この日の外気温が高いというのもありますが、しばらく待っていてもこれ以上下がりません。まったくエアコンが効いていないわけではなさそうです。

マニホールドゲージを繋ぎ、低圧側、高圧側それぞれの圧力を測定します。低圧、高圧ともに高く、エアコンガスの入れすぎ、コンデンサーの冷却不良などの原因が考えられます。

高圧側が明らかに高すぎるのでコンデンサーに水をかけて強制的に高圧側の圧力を落としてみます。

コンデンサーを冷やすと、吹き出し口の温度も下がりました。コンデンサーやコンプレッサーのオーバーヒート気味のようです。

エアコン診断の基本に戻り、エアコンガスをいったん抜き取り、規定量を充填し、再度点検を行います。エアコンガスの量が少なすぎても多すぎても冷え不良になりますし、現状エアコンガスがどれくらい入っているのかわからないため、この作業は基本中の基本です。

抜き取ったエアコンガスの量は250gでした。規定量(270g~330g)より少し少なったですが、エアコンが効かなくなるほど少ない訳ではありませんでした。むしろ過充填だと思っていたため、この結果は少し驚きました。

エアコン配管の真空引きを行い、エアコンガスを規定量充填したところでもう一度マニホールドゲージで点検します。すると先ほどとは全然違い、低圧側も高圧側も圧力が下がっていました。もしかするとエアコンガスの中に水分やエアーが混入していたのかもしれません。

吹き出し口からの温度も最初と比べてかなり下がり、冷え具合も改善していました。配管内の真空引き、エアコンガスを規定量充填行っただけで症状が改善されて、これまた驚きました。エアコンガスが少なすぎる、多すぎるなどで冷えが悪かったものが規定量になることで改善されることはこれまでも多数経験していますが、今回の場合ガスは規定量より少し外れているだけだったため、エアコンガスの量に問題があったとは考えにくいため、やはり水分やエアーの混入が考えられます。良い経験になりました。